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ブレイキンのパリ五輪でのルールとは?何を競いどんなポイントで加点する?

2024年パリ五輪種目に採用されたブレイキンですが、どんなルールで競われるスポーツなのかぶっちゃけ分からないですよね?

そもそも、ブレイキンという競技名すら、初めて聞きましたと言う方がほとんどなのでは?(私もですww)

日本からもメダル候補選手も出場するので、パリ五輪が始まる前に、ブレイキンがどんなスポーツなのか、どんな所でポイントで加点されるのか?を知っておきたいところですよね。

そこで、本記事ではパリ五輪の種目のブレイキンがどんなスポーツで、どんなルールなのか?詳しくお伝えします。

その他、ブレイキンがパリ五輪に採用された理由や、ブレイキンの世界大会の有無についても解説していますので、是非最後までお付き合いください。

目次

2024年パリ五輪種目のブレイキンとは?

2024年にパリオリンピック種目に追加されたブレイキンは、ダンスを用いて独創性をや演技力を競うスポーツです。

ブレイキンは、選手と審判だけでなくDJやMCもいるため、会場全体が華やかな絵面になるところがポイントといえます。

また、ブレイキンは五輪初のダンススポーツ種目です。

ダンススポーツって、正直馴染みのないジャンルですよね。

そのため、まだブレイキンそのものについて理解できていない人も多いでしょう。

ブレイキンがどんなスポーツか分かれば、パリ五輪でブレイキンの試合を楽しく鑑賞できるはずです。

というわけで、まずは2024年パリ五輪種目に追加されたブレイキンがどんなスポーツなのか、ブレイキンの歴史や概要を、こんな内容でお話しします。

  • ブレイキンはアメリカ発のダンススポーツ
  • 1980年代以降にメディアや著名人によりブレイキンが普及
  • ブレイキンのオリンピックデビューは2018年
  • ブレイキンはダンス種目ならではの華やかな構成が魅力
  • ブレイキンとブレイクダンスの違いは?

ブレイキンはアメリカ発のダンススポーツ

ブレイキンは、1970年第初頭にアメリカ・ニューヨークのサウスブロンクス地区で誕生した、ダンススポーツです。

当初ブレイキンはダンススポーツではなく、ギャングたちの縄張り争いの手段として活用されていました。

ギャングたちが拳同士で縄張りを争っているさなかに、DJをやっている一人のギャングがこう発言したのです。

暴力じゃなくてダンスで縄張り争いをしよう

DJギャングのこの発言が、ダンスを用いた縄張り争い「ブレイキン」の始まりでした。

つまり、このときのDJギャングがいなければ、ブレイキンは存在していなかったということになります。

ブレイキンはB-Boyと呼ばれる男性とB-Girlと呼ばれる女性によって、手足を駆使して飛び跳ねたり上下に屈んだりする比較的アクロバティックなダンスで繰り広げられます。

ブレイキンが誕生した当時つるんで争うことでしかストレスを発散できなかったギャングたちにとって、体を動かして汗をかき、縄張りを争うブレイキンは斬新な気分転換の手段でした。

1980年代以降にメディアや著名人によってブレイキンが普及

ブレイキンは、1980年代以降映画やダンサーらのパフォーマンスなどメディアを通して一気に知名度が上がりました。

特に1983年にマイケルジャクソンが発表した楽曲の中で、ブレイキンの「バックスライド」と呼ばれるパフォーマンスが「ムーンウォーク」として披露された際には、全世界にブレイキンの存在が知れ渡ったのです。

ブレイキンを音楽に取り入れたのは、マイケルジャクソンだけではありません。

日本の歌手・風見しんごもブレイキンのパフォーマンスを振付に取り入れた楽曲を1984年にリリースして、それ以降日本国内でもブレイキンの存在が認知されるようになりました。

また、1984年にはブレイクダンスブームの火付け役となったアメリカ映画「ブレイクダンス」の上映されました。

この作品を通して、ブレイキンの要であるブレイクンダンスはアメリカ国内外を問わずかなりメジャーなカルチャーとなったのです。

もともとは「不良の文化」だったブレイキンですが、そのパフォーマンスのポップさや求められるスキルの高さから、メディアや著名人に取り上げられて、一機に世界的なものとして認知されるようになりました。

ブレイキンのオリンピックデビューは2018年

ブレイキンはギャングの縄張り争いから世界的にメジャーなダンスパフォーマンスに変貌したスポーツ…

それは分かったのですが、ダンススポーツとして五輪種目に取り入れられたのはいつ頃のことなんでしょうか?

ブレイキンが五輪種目に取り入れられたのは、2018年のことでした。

しかも、2018年にブレイキンが五輪デビューしたときの大会はアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されたユースオリンピックでした。

ユースオリンピックは正式な五輪と違って、若い層の選手が活躍する大会です。

そのため、厳密に言えば通常の五輪とユースオリンピックは、多少スタンスが異なります。

2018年以前もブレイキンの国際大会「Red Bull BC One」という世界大会が実施されたり、各国でブレイキンの大会が開催されていたことはありました。

しかし、ブレイキンがダンススポーツとして五輪に認可されるまでには、1970年の誕生から50年近くの時間がかかっていたのです。

たしかに、ブレイキンはダンススポーツなので従来五輪で種目として採用されていた「一般的なスポーツ」のように「何をどう競うか」を決めるのが難しそうです。

しかもブレイキンはダンスなので、「スポーツ」というよりも「パフォーマンス」というイメージが強いものですよね。

つまり、知名度が十分あったにも関わらずブレイキンが正式な五輪種目に加わるまで時間がかかったのは

・競技内容やルールの明確化が難しいから
・国際的なスポーツとしてなかなか認められなかったから

かもしれません。

ただし、2018年のブエノスアイレスでのユースオリンピックでは、ブレイキンにも明確な採点基準が設けられていました。

そのため、ユースオリンピックの種目に加わったとき、ブレイキンは既にしっかりと競技種目として世間に受け入れられていたといえるでしょう。

ブレイキンはダンス種目ならではの華やかな構成が魅力

本来、五輪で行われる競技は団体もしくは個人の選手、そして審判が競技場に出場するシンプルな構成でした。

しかし、ブレイキンは競技に使用する音楽を流すDJと司会進行もMC、そこに1対1~2体2もしくは団体の選手加わります。

つまり、ブレイキンは大人数が一丸となって取り組む競技なのです。

ダンスが五輪種目になったというだけでも驚きなのに、さらにMCやDJが競技の場所にいるというのはより一層びっくりです。

DJやMCって、スポーツの競技者というよりは、パーティー会場にいる演出家というイメージですよね。

そんなスポーツの世界からかけ離れた立場のパフォーマーが五輪の競技会場に出場するというのは、とても趣深いことです。

ブレイキンは、こういったストリートカルチャーならではの華やかな構成が魅力。

この構成によって演技している選手はもちろん、観客の盛り上がりもかなりのものになると考えられます。

ブレイキンとブレイクダンスの違いは?

ブレイキンとブレイクダンスの違いは、特にありません。

そのため、ブレイキンとブレイクダンスは同じもの、と考えていいでしょう。

ただ、厳密に言えばダンスの名称としては「ブレイキン」が正解で、「ブレイクダンス」はブレイキンを広めるために1980年代に公開された「ブレイクダンス」という映画のタイトル及びそこから発生した和製英語です。

そのため、パリ五輪で競技種目のブレイキンをブレイクダンスと呼んでも決して間違いではないのです。

おそらく五輪種目としてブレイクダンスではなくブレイキンの名称で大会に盛り込まれたのは、せっかくだから正式名称を使用しようという連盟側の配慮でしょう。

ブレイキン(パリ5輪種目)のルール

ブレイキンがどんなスポーツかは分かりましたが…

じゃぁ、ブレイキンはどんなルールのスポーツなの?

そんな疑問が頭を過ります。

そこで、ここからはブレイキンのルールに迫ります。

ルールが分かれば、どんな所がポイントとして認められて加点されるのか?

どういうところが良ければ勝つことが出来るのか?を知る事が出来ます。

また、ルールと共に、ブレイキンの採点基準やパリ五輪のブレイキンの競技日程など、細やかな部分も確認しましょう。

また、ブレイキンの基本ルールとパリ五輪におけるブレイキンのルールの違いも解説しますよ。

というわけで、こちらの内容でブレイキンのルールを説明します。

  • ブレイキンの基本ルール
  • パリ五輪でのブレイキンのルール

ブレイキンの基本ルール

ブレイキンは、DJとMC、そして1対1~2対2もしくは団体の選手が対面でダンスバトルをする競技です。

DJは競技に使用する音楽を流しますが、選手は競技開始までどんな音楽が使われるか知りません。

つまり、選手は完全即興でダンスをしなければならないのです。

簡単なブレイキンの競技の流れを、見てみましょう。

ブレイキンの競技の流れ

1.DJが音楽を流す
2.先攻選手がパフォーマンスをする
3.後攻選手がパフォ-マンスをする
4,2~3を大会で指定された回数繰り返す
5.審査員が採点基準に基づいて採点
6.勝者及び敗者が決まる

そして、ブレイキンではダンスにおいてこれらのスキルを評価されます。

ブレイキンで評価されるスキル

・技術性
・多様性
・完成度
・独創性
・音楽性

これらを、各大会で設置された採点基準に基づいて、審査員が採点します。

では、ブレイキンでは選手たちは競技中にどんなダンスパフォーマンスをすれば良いのでしょうか?

一口にダンスといっても、どんな動きをするものなのかイマイチ想像できないですよね。

ブレイキンのダンスパフォーマンスでは、選手が体全体を使ってアクロバティックな動作を見せます。

選手たちは飛び回ったり、屈んだり、とにかく競技中全身を使って激しく動き回るのです。

そんなブレイキンは、4つの要素から構成されます。

その4つの要素というものが、こちらです。

ブレイキンの4要素

・トップロック…立った状態で足のステップと上半身を組み合わせるダンス
・フットワーク…かがんだ状態で素早く足を動かしたり挑発する仕草をする振付
・パワームーブ…上半身をメインに使って回ったり跳ねたりする
・フリーズ…音楽に合わせてトップロックなどの体の動きを数秒間止める

各要素を紹介しているYouTube動画があるので、ちょっと見てみましょう。

こちらはトップロックを紹介している動画です。

かなり滑らかな動きが必要になる動作です。

ダンスに慣れていないと、トップロックはスムーズにできないですよね。

そして、これはフットワークの動画です。

ものすごくアクロバティックな動きで、ダンス初心者には絶対できないと思います。

パワームーブの動作を紹介する動画も見てみましょう。

上半身をくまなく使っていて、相当な筋肉量が必要な動作ですよね。

そして、最後の要素フリーズの動画です。

「こんなポーズで静止できるの?」と驚いてしまうようなポーズで動きを止めていますね。

このように、ブレイキンはかなりハードに体を使う、高レベルなダンスバトルなんです。

ブレイキンの競技において、これら4つの要素を全て盛り込む必要はありません。

どの要素に重点を置くか、どの要素をどれくらい取り込むかは、選手及びチームの自由です。

あくまでブレイキンはダンスを構成する要素から、採点基準に基づいてスキルを競う種目です。

なので、どれか1つの要素が欠けていても、採点後にトータルで多く得点を獲得した選手もしくは団体の勝ちとなります。

パリ五輪でのブレイキンのルール

パリ五輪のブレイキンは、1対1のバトル形式でDJの流す音楽に合わせて男女各16名の選手が採点基準に基づいた項目の得点数を競うというルールです。

こちらが、パリ五輪におけるブレイキンのバトルの流れです。

パリ五輪のブレイキンのバトルの流れ

1.最大1分間DJが流す音楽に合わせて先攻→後攻で交互にパフォーマンス
2.1を3回繰り返す
3.審査員が採点基準に基づいて採点して勝者及び敗者が決まる

基本的なルールはブレイキンの主なルールと同じですが、パリ五輪ではパフォーマンス時間が最大1分間でそれらを3回繰り返すという明確な決まりがあります。

また、審査員が評価するスキルは、ブレイキンの基本ルールもパリ五輪も同じ内容です。

「審査員が採点基準に基づいて採点」という点も主なブレイキンのルールと同様ですが、パリ五輪の採点基準はどのようになっているのでしょうか?

実は、パリ五輪のブレイキンの採点基準はまだ公表されていません。

しかし、近年のブレイキンのコンテストや大会では、2018年に行われたユースオリンピックよりも細やかな採点基準が追加されているものがあります。

そのため、パリ五輪のブレイキンは、2018年のユースオリンピックのときよりも更に細分化された採点基準が設けられる…

と、筆者は推測しています。

参考までにユースオリンピックでの採点基準は、このようになっていました。

ユースオリンピックでのブレイキン採点基準

・技術性…難易度・迫力・速度を40点満点で評価
・表現……雰囲気・情熱・個性・音楽性・独創性を30点満点で評価
・構成/完成度…想像力・多様性・見やすさ自然さ・バランスを20点満点で評価
・バトル…意思疎通・自然さ・先述を10点満点で評価

パリ五輪では、これらの採点基準にさらに細やかな採点項目が追加されるか、各項目の採点上限が変わるといったことがありえるかもしれません。

また、ユースオリンピックではこんな風に減点対象も設置されていました。

ユースオリンピックでのブレイキンの減点対象

クラッシュ…ポーズが崩れたりバランスを失うなど目視できる程度の動作ミス
リピート…同じ動きを何度も繰り返す
バイト…ほかの人の動作や仕草を真似する
その他…反社会的なジェスチャーや発言

パリ五輪では、上記のユースオリンピックのときより更に減点基準が厳しくなるのではないかと個人的に思っています。

ちなみに、ブレイキンの2024年パリ五輪における競技日程はこのようになっています。

ブレイキン2024年パリ五輪競技日程
2024年8月9日(金曜日)
16:00~18:00 女子予選

20:00~21:45 女子決勝
2024年8月10日(土曜日)
16:00~18:00 男子予選

20:00~21:45 男子決勝
ブレイキン競技日程

日本からは女子枠にAMI、AYUMI、Riko、男子枠にはShigekixのパリ五輪ブレイキンへの出場が内定していますよ。

ブレイキンがパリ五輪種目に採用された理由

ブレイキンは、若い世代をパリ五輪に呼び込むために五輪種目に採用されました。

というのも、近年の若者は、五輪に対する関心が薄いのが事実。

しかし、ブレイキンはダンスをテーマにしたストリートカルチャーで、若い世代に馴染みがあるスポーツです。

そのため

若い世代に親しまれているブレイキンを種目に採用すれば、若者が五輪に興味を持ってくれる!

と連盟が判断して、五輪にブレイキンを採用したのです。

また、ブレイキンは音楽さえあればできる手軽なスポーツ。

この競技におけるフットワークの軽さは、今後も様々なシーンで重宝される要素となるでしょう。

そのため、五輪をきっかけにブレイキンの知名度はさらにアップすると予想されます。

ブレイキンは世界規模の大会があるの?

ブレイキンの世界規模の大会は、存在します。

ブレイキンの世界規模の大会はこの2種類になります。

ブレイキンの世界規模の大会

・Red Bull BC One
・FUJIFILM INSTAX Undisputed Masters

どちらの大会も歴史が長く、特にRed Bull BC Oneは20年以上続いています。

Red Bull BC Oneは2023年からYouTubeでファイナルラウンドの様子を生配信していて、会場にいない人もリアルタイム視聴が可能になるなど、現代的な取り組みも実施しています。

また、2023年のRed Bull BC Oneでは男子枠で韓国のHong10が、女子枠で日本のAmiが優勝しました。

日本の選手が優勝しているのは、同じ日本人としてとても誇らしいことですよね。

次回のRed Bull BC Oneは2024年7月7日開催予定です。

一方のFUJIFILM INSTAX Undisputed Mastersは、1年間に数回開催されていて、2024年は日本でも大会が開かれました。

2023年~2024年のFUJIFILM INSTAX Undisputed Masters開催日程を振り返ってみましょう。

FUJIFILM INSTAX Undisputed Masters 2023年~2024年開催日程

・2023年5月…イギリス・ロンドン大会
・2023年8月…オランダ・ヘールレン大会
・2023年9月…アメリカ・ニューヨーク大会
・2023年11月…ブラジル・サンパウロ大会
・2024年3月16日・3月17日…日本・東京大会

2024年に開催されたFUJIFILM INSTAX Undisputed Mastersの東京大会には、23か国180名が集結し、その中には2023年の各大会で優勝した4名もいました。

2024年のFUJIFILM INSTAX Undisputed Mastersでは、男子ソロ枠でブラジルのSamuka、女子ソロ枠でリトアニアのNicka、5対5のクルー戦では韓国のJINJO CREWが優勝しています。

FUJIFILM INSTAX Undisputed Mastersの2024年の次回開催予定はまだ分かりませんが、2023年の開催歴から考えると2024年6月~8月くらいに開催される可能性が高そうですね。

まとめ

2024年のパリ五輪に新たな種目として追加された、ブレイキン

あまり耳馴染みのない種目ですが、ルールを見ているとれっきとした競技であることがお分かりいただけたでしょう。

日本にもブレイキンで素晴らしい成績を残している選手が、たくさんいます。

パリ五輪のブレイキンで各国の選手たちがどれくらいエキサイトした競技を見せてくれるのか、非常に楽しみです。

今後も2024年パリ五輪のブレイキン情報に注目していきましょう。

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